冬、金沢に降る雪は、水分が多く重みがあります。日本三大名園のひとつ「兼六園」をはじめとした市内各所で見られる『雪つり』の光景は、金沢らしい情緒ある冬の風物詩となっています。雪吊りとは、雪の重みで樹木の枝が折れないように縄で吊って枝を保護するもので、金沢において最も古い記録では江戸中期のものがあります。
兼六園での雪吊り作業は、毎年11月1日に「唐崎松」からはじめられるのが慣習。園内随一の枝ぶりを誇るこの松には、5本の芯柱が建てられ、各枝の先端から放射状に縄が張られ、きれいな円錐が形づくられていきます。縄の張り方には「りんご吊り」「幹吊り」「しぼり」などの種類があり、松のほか、桜、ツツジ、モミジなど、ベテランの庭師が中心となって、12月中旬ごろまで広大な園内約800箇所に及ぶ作業が行われます。
本格的な寒さが訪れると、あたり一面が銀世界となる古都・金沢の冬。静寂のなかで雪つりされた樹々は幽玄、かつ幾何学的な美しさを見るものに与えてくれます。雪つりは翌年3月15日になると今度は取り外しの作業がはじまり、「唐崎松」を一番最後に取り外すと金沢は春を迎えます。
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